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徳島へ (浄土)

国内で、それも徳島までヒョイと出かけられる旅にすぎないのに、
紙面を尽くすとは、何と大袈裟な人とは思うかもしれない。


しかし私にとって、犬を連れての2泊3日は外国旅行に匹敵する。
いや、元気な人にとってはソレも何でもないことだろうが、
体力のなくなった者には、一大事業を成し遂げたぐらいに、
大変なコトなのだ。


3日目。
夕方帰路につくと、兵庫県へ渡った途端に渋滞する。
それはエンエン続き、私は立てない程疲れ果てた恐ろしい経験を思い出す。


徳島新聞社へ寄って、1年前の親子展の取材の折約束したことを、
果たさねばならない。
しかし、娘は慣れない道の運転で、かなり疲れている。
もう、帰ってからのことにしよう。
決心した私達はお昼過ぎに、郷里を後にした。


すぐ近所にコスモス畑が広がっている。
来るとき、ちょうど携帯に電話がかかって、
私が見過ごしたのを知っている娘は、シンドイだろうに、寄ってくれた。


ソウダ、ここで娘を少し休ませよう。
私は風太を連れてコスモス畑へ。
道路の両側に背の低めのピンクのコスモスが、一面に咲いていた。


見回すと、砂利石をうず高く持った、山のような所があった。
都会っ子の風太はイヤがって歩かないので、仕方なく抱っこする。
「ヨイショ、ヨイショ、
この山からコスモス畑を見ると、きっとスゴイよ、風太クン」


砂利トラックが1台止まっていて、運転手が弁当を食べていた。
“あのオバチャン、何するンで?”
と思いながら、見ていたことだろう。
そんなことはおかまいナシ、ヨイショ ヨイショ ひたすら登る。


頂上、パアーッと広がる視界。
眼下に広がるピンクのコスモスの群。
見上げると空は雲ひとつなく、まさに紺碧。


ふと、このまま風太と2人、昨日行った円光寺の絵(浄土・天空の国)の
中まで吸い込まれて行くのじゃないかと思うほどに、
高く、高く、どこまでも透き通っていた。


不安は、一種の恍惚でもある。
小春日和の優しい風に撫でられて我に返ると、
風太の重さが現実に戻してくれた。


「オーイ、写真撮ってよーっ」
道路脇に止めた車に向かって叫んでみたが、バクスイしている娘の耳には、
届くはずもなく・・・・・・。



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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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