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道ばたのおやつ

田舎の兄から荷物が届いた。
箱の上に槙のひと枝がテープで止めてあり、
久しぶりに旧友に会ったような思いで開けると、
中にはいっぱい実のついた大きな枝が、柿と共に入っていた。


槙は常緑で、形を整えやすいところから、
庭木や垣根に使われる。
しかしこの木に不思議な実の成ることを知っている人は、
多くはないだろう。


立派な庭園に、見事に剪定された槙を見ることはあるが、
そこに実がついていたのを見た記憶はない。
ひょっとしてこの木は、雌雄があるのだろうか。


実は2ツくっついたお団子のような形。
上の方は緑、下が熟れて朱や赤になると食べられる。
味はあまりない。
甘くないサクランボのような感じ。


子供の頃は、秋になると野山の果実がうれしいおやつだった。
里の家々に成る実も、通りがかりにチョイと口にしたものだった。


柿やザクロは高い所に実るので、
子供達が取ろうとすれば竿の先にしかけをつけて、
ひねり取るか、叩き落とすしかない。


しかしそうなると、盗っているという意識が働く。
見つかったら怒られる。
私は、“いい子”で通っていたので、
そんなリスクの高いことは絶対にしなかった。


その点、槙はソッと手を伸ばせばすぐ取れる。
槙の実を採っていても誰も咎めたりはしない。
それは果実というより、おまけにくっついているようなものだった。
おまけだから、食べられる実の上に、
食べられない緑色のオマケがついている。

槙を食べた後には、この部分が落ちているが、
証拠隠滅をする必要はなかったのだ。


懐かしい思い出が甦る秋。






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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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