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故障③

処置室に入る。

看護師さんが、ベッドに横になるように指示して
カーテンを閉めた。


注射器を用意する音。

隣のカーテンに入った人が、先に処置を受けている。

レントゲン室の患者のことで、
先生が別の病院に電話して、受け入れの手配をしている。


その間、ほんの5、6分だったと思うが、
私には長かった。

カーテンが勢いよく開けられ、看護師さんが横に立った。

「左手を楽に置いて、右手でTシャツのエリを少し下げて下さいネ」



ついに、先生登場。

「ハイ 楽にして、大きく息を吸って、フゥーッとはいて」

先生の左手が、首の喉仏のあたりを押さえる。

「ハイ チクッとしますよ」

今回はちゃんと言ってくれた。

説明されたように、
左の瞼が重ーくなり、左耳が塞がったように感じた。



ブロック注射は、アリンコに刺された程度の痛みで、
3秒もかからなかった。
恐怖はアッと言う間もなく去って行った。


痛いですか?と聞いた時、
「筋肉注射ほどじゃないけど、首に打つと聞いて、
キモチ悪がる人もいるけどネ」
と先生は仰った。

この“キモチ悪い”という言葉に引っかかっていたのだと思う。

「3秒で終わるし、チクッとするだけ」
と言ってくれていたら・・・


しかし、そう言ってくれたところで、やっぱりマナ板の鯉には
カクゴというものが必要ナンですヨネ。

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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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