堺雅人。
私のように芸能界に疎い者でも、
「篤姫」の家定以来、この名前を知るようになった。
テレビドラマ「ジョーカー・許されざる捜査官」に出演している。
この2ツ以外でも、DVDで2本観た。
カッコつければそこそこの2枚目だろうに、
いつも笑っているのか泣いているのか、判じ難い表情で演技する。
だからかえって今どきのイケメンとは一線を画するが、
幼く見えたり、老け顔になったり、
奥二重の目元には、クッキリ皺もある。
長身でモデル出身の、演技も上手い俳優もいるにはいるが、
総じて早く消えてゆく。
その点、体型にやや難のある人の方が、
努力するからだろうか、息長く視聴者を楽しませてくれる。
どの世界に在っても、ひたすら努力を惜しまない人と、
美貌や才能だけを頼りにする人とでは、
明らかに大差がつく。
昔、東京へ修行に通っていた頃、
新幹線や飛行機の中でたまに、芸能人と会った。
一般の人と、ほとんど変わらないさりげなさで座っていたが、
歩き出すと後姿からはオーラが見えた。
さすがに、いつも見られている人であると感心したものだ。
中にはひどく小柄な人もいた。
ふと足元を見ると、靴底が高かった。
ガッカリするはずだろうに、後姿はやはり、
“いつも見られている人”の風情であったのを思い出す。
堺雅人も、決して“背が高くて、カッコイイ人”ではないが、
あの独特の演技に嵌められて、
週2回テレビを観るようになった。