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観音を仰ぐ

長谷寺へ行ってきた。
先だって描いた絵も連れて。
と言っても、実物は90×120センチ、すでに依頼者に送ったあとなので、
写真を携えて。

寺は奈良県櫻井市初瀬の山上にある。
真言宗豊山派総本山として、
1300年以上に渡って篤い信仰を抱く信徒に守られ、
全国に3000もの関係寺院を持つという。

本堂は国宝、御本尊は重要文化財、
世に知らぬ人はいないであろう名刹のひとつに数えられる。
12メートルの巨大な十一面観音菩薩は、平時本堂から拝観するが、
特別拝観の折だけ、堂内の奥に入ることが許される。


その場所は狭く、うす暗く、
高い敷居を危なっかしい足取りで跨ぐように入って行く。

目の前に菩薩の両足が見えた。
人々がひしめく中、真上の位置に仰ぎ見る荘厳。
観音信仰者でもなく、仏教に深く帰依しているとは言い難い私が、
皆と同じように跪き、両手を差し出す。
作者の計り知れぬ企てを思い知った瞬間であった。

そしてその時やっと、
自分が写真を持ってきた意味を悟った。


平安時代の姫君も、この寺へ参ったであろう。
紫式部は、玉鬘(たまかずら)の数奇な運命の背景にこの寺を選んだ。

仏像は、両性具有と何かの本で読んではいるが、
ドジョウのようなヒゲがあってはやはり男性がモデルと思える。

仏師(僧という説も)は、いかように思いを巡らせて、
この像を制作したのか。
あるいはスポンサーの意図が色濃く反映されているのか。

感動とともに制作した人々の心の在りようにも
興味を覚えた1日でした。


プロフィール

玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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