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イタチの筆

「書」を習っていた頃のこと。
師は、故花田峰堂氏。

竹翠書院という書画材料店も営んでおられたので、
時折、「ワッ いいナァ」と欲しくなる筆が、机に並べてあったりした。
いいものはやはり高い。
当時の私が、筆に使える金額としては、
相当張り切って手に入れた。

ところがである。
1万5千円もした羊毛の筆は、2~3回使っただけで、
哀しいかなお蔵入りとなってしまった。

「私の絵を描くのに適している筆は、イタチです」
と、ある教室で話したら、
「イタチは悪い子です」
と笑っている人がいる。

肉食系の動物なので、ニワトリを狙ったりする。
なかなかに残虐なヤツらしい。
「私、5匹も捕まえました。まだいっぱいいるので、先生にあげましょか」
もらっても困ってしまうので、
「筆屋さんに寄付して下さい」
と言っておいた。

かのイタチの毛は、硬い。
ピシッと厳しい線を引いたり、細かい所を描くのに好都合で、
もっぱら愛用している。

絵や書をたしなむ人達にとって、筆は最も大切なもの。
上達するにつれて、良いものを使いたいと思うようになる。

しかし、書の場合、上等の羊毛筆は、まず腕を鍛えてから手に入れることだ。
柔らかすぎて思うように動いてはくれないから、
(私のように初等程度では)とても使いこなすことが出来なくて、
飾っておくだけになってしまう。

かたや絵は、イタチ、テンなど、硬くかつしなやかなものを使用する。
特に私の絵には向いている。
「フデは買えるけど、ウデは売ってへんもンねェ」
誰かが笑わせてくれる。
一字違いなのに…ネ。
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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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