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疲れることはしない方が…

「西の魔女が死んだ」というビデオを見た。
なぜ「西」なのかチラッと思ったが、配役を見て溶解した。

主役は中学生の女の子ということになっているが、
そのテーマのほとんどは、その子の祖母が担っていた。
イギリスから単身で日本へやってきて、英語の教師をしていた時、
女の子の祖父である理科の先生と結ばれた。
夫亡き後も、森の家で1人で住む老婦人、
彼女が魔女であった。

登校拒否になった孫の「まい」は親元を離れ、祖母の家へやってくる。
ファンタジーでもなければ、コミカルなものでもない。
映像が特別に美しいという程のものでもなかったが、
1ツだけ心に残った言葉があった。

それは、
「憎悪のエネルギーは強すぎて、心を疲れさせる」

西の魔女である祖母は「まい」に魔女の修行をさせる。
しかしそれは特別なものではない。
遠隔操作をしたり、目くらましを行ったりなどの、
魔法を使うことではなかった。

朝7時に起きて、夜は11時に寝る。
昼間は家事を手伝う。
そんなごく普通の規則正しい生活を、「まい」は今までしていなかった。

新聞で知ったことだが、
“お金が入ってくるなら母親は家にいなくても、働いていた方がよい”
と答える子供がけっこういるらしい。

そんな「今」を批判めかず、さりげなく振り向かせるように仕向けるのが、
この映画の中で重要な役どころの、おばあちゃんであった。

「まい」が、『おばあちゃん大好き』と言うと、
それまで流暢な日本語でしゃべっていたのに、『アイノウ』と答える。
森に住み、ハーブを育て、ワイルドベリーをジャムにし、裁縫もしていた。
そんなスローライフに憧れる人は、私の友人にもいる。
イギリスの古きよき時代、死を迎えるまで凛として生きる老女を、
サチ・ローパーという女優が、丁寧に演じていた。

日本にだってこんな女性はいるだろうが、
中学生へのメッセージとしては、
西洋の魔女から東洋の魔女に伝えられていく形をとった方が、
よかったのだろう。

さて「憎しみのエネルギー」についてであるが、
確かに、誰かを怒りのターゲットにすれば、明解ではある。
「普通」と思われている範疇から少しだけ遠のいている人を、
みんなで敵と見なせば、事は足りる。
「まい」がおばあちゃんになぜ学校へ行けなくなったかを話す時、
「教室で仲良くする方法」として語っていた。

中学生はそうかもしれないが、
「普通」のおとな達は、ほとんどの場合、憎しみの言葉を口にしない。
困ったことがあっても、困ったナァという顔をするだけだ。
私も「普通」のおとなでいた方がよいのだろう、と
考えさせられる映画であった。
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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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