教室の帰り、友人とバーゲンを見て歩いた。
ちょっと変わった服、小物の店「センソユニコ」で、
以前スカートを買ったので、それに合う何かが欲しいという友人。
先客がアレコレ着て楽しんでいる。
彼女も店のスタッフに手伝ってもらって、服選びが始まった。
私は好みがはっきりしているので、とにかく早く、
「コレいかがですか」
「ダメ」
「ではコレは?」
「好きじゃない」
「じゃあこれなど…」
「ア、ソレ」
という具合。
しかしたいていの女性は、なかなか決まらない。
私はちょっと手持ち無沙汰。
ふと先客の帽子に目がいく。
「ン?アレは…」
ソレは、帽子屋に置いてあっても、絶対に手を出さない種類の1ツ。
しかも手を出せない価格でもあるはず。
しかし…
女なら、一度は手に取り頭にのせて、
ちょっと気取ってポーズをとりたいモノでもある。
ウーン。
客は私の視線に気付いたのか、ニコッと笑って
「ちょっとかぶってみます?」
と言ってくれるではないか!
「イヤー 似合わないと思うから、イイデス、イイデス」
「マア、そう言わず どうぞ」
デハ、お言葉に甘えて、鏡の前で満面の笑み!
ヘーッ こんなスゴイ帽子が、私にも似合っているではないか!
日頃、オッサン的コスチュームの私が、
帽子1ツで、カシニョールの世界へひとっ飛び。