気温はついに30度を超えた。
いよいよ真夏の到来である。
若い頃は夏がうれしかった。
ダイナミックな遊びが待っていたからだ。
ところが、10年程前から目まいを起こすようになり、
それは決まって夏場なので、
これからの季節は私にとって試練の日々となる。
さて、1日が終わる頃、暑さで汗だくの体を
シャワーで洗い流すのは、至福の時。
私なんぞは、クーラーで冷えた足もとに暑い湯をかけてやらねば
固まってしまいそうになる。
ところで、最近スーパーやドラッグストアの洗剤売場から、
石鹸が少しずつ姿を消している。
代わりにデーンと並んでいるのが、液体石鹸。
ところが私はこれで洗っても、ちっともスッキリしない。
以前にも書いたが、私は浴用石鹸で、
体も顔も、お湯で流せばキュッキュッと音がするくらい、ゴシゴシ洗う。
そうすれば、体は「新しい油分を出さなきゃ」と大慌てで、
翌朝はツルリとした顔になる。
液体の泡でホニョホニョ洗って、
この都会の汚い空気に触れた肌が、キレイになるはずがない。
いきおい、黒ズミが残って、次には何かをベタッと顔に貼って、
ベリッとはがす化粧品を使用しないと…
なんてことになる。
「石鹸はカスが出て、環境を汚す」とかいう変な理屈を言う人は、
顔の手入れは一切しないのだろうか。
ファンデーションを落とすためにクレンジングを塗り、
ティッシュでふき取ったり水で洗い流し、又洗う。
こんなことをするより、石鹸でゴシゴシが一番美しくなると思うのだけど。
この方法、勧めてもたいていの人は尻ごみする。
化粧品会社の思うつぼである。
ともあれ、石鹸がなくなるのは非常に困る。
私が長年愛用してきたラックスのマーブル模様の固形石鹸は、
もうどこを捜してもない。