「次の目標は美術館です」
こう言い切ってしまっては、もう後に引けない。
建設には、作品と資金が要る。
作品の方は、寄贈してくれる人が何人かいて、
わが家にある分も加えれば、何とかなるかもしれない。
問題は資金である。
美術館という建物を創り出すには、
一体どのくらいお金が必要なのか見当がつかないが、
私は几帳面な性格のくせに、こんな時はひどく大まかである。
ナニ、長方形の建物を建てればいいンだから、
3千万円もあれば、充分だろう、なんて。
さて、どうやって工面するか?
100人の子供達を絵ハガキにすることに、
娘はかなりの時間を費やしてくれた。
パソコンで編集したのだ。
あっちこっちを組み合わせる。
この部分を削除する。
彼女の腕の見せどころとなった。
すべて私の意見を取り入れてくれて、
元の絵の雰囲気を壊さないよう、気遣ってくれた。
そして出来上がったのが、28枚の絵ハガキ。
この原版をもとに、4枚1組にすれば、7セットが出来上がる。
1セット500円。
6万人が1セットずつ買ってくれたら、3千万円に達する。
気の長い話ではあるが、何事も一歩一歩前進あるのみで
やってきたのだから、これからもやるしかない。
もちろん個展での売上なども、すべて投入するつもりであるから、
そう遠い未来のことではないであろうと、
神経が細かい割りには、案外気楽なところあり。
これを読んで下さっている皆さん、
ぜひとも6万人の1人になって頂きたい。
建設資金にと寄付でもして下されば、
館内にその旨記録致します。
どこに建てるか?
さて?
館内には、喫茶コーナーも設けて下さいとの要望も届いた。
庭には、四季折々の花が咲き、
鳥や蝶も舞うことだろう。
その場所へ来れば、ひとときの安らぎが感じられ、
もう一度訪れたいと思ってくれるように。
大いなる理想郷の夢は、どんどん膨らんでいく。