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12月1日

十楽寺で法話と昼食を終え、私達の旅が
いよいよクライマックスを迎えようとしていた時、
それまで晴れていた空に突然雲が現われた。

円光寺の後方、山の方から一陣の風が吹き、
にわかに雨が降った。

私が催したツアーであるからして、
「先生 雨女やナァ」
と思った人がいるかもしれない。
なにしろ、寺の手前100m程のところから
雨足強く降り出したのだから。

しかし、余人は知らず。
私と娘のみは察知した。

龍が雨を呼んだ!と。

それは一瞬の出来事で、
イスを出して奉納式に備えていた寺側の衆は、
慌ててそれを片付け、「少し狭いですが全員本堂へどうぞ」
ということになった。

奉納式が終わり、襖絵を見ようと皆が移動した頃、
雨はピタッと止んだのだ。

生徒の1人が言う。
「先生、こっちから見ても、あっちへ行っても、龍と眼が合いますねン」
「そうですか。八方睨みと言いますからねェ」
と答えて天井を見ると、
龍は私を見て、ニヤリと笑った気がした。

通り雨を龍の仕業と看破した人が、1人いた。
バス2号車のガイド嬢である。

「龍は恵の雨を呼ぶといいますから、
きっと皆さんに幸運を運んでくれることでしょう」

この言葉に2号車は、拍手喝采、沸き立ったらしい。

新聞社の取材、撮影、絵の説明、友人達との交歓、
時間はアッという間に過ぎ、気がつけば車の中でグッタリしていた。

帰路、渋滞につかまり、車酔い寸前で目的のホテルに到着。
夕食前にお礼の言葉を言った途端、
緊張の糸がプツン。

会場から我が家まで歩いて行ける距離なのに、
動くことが出来ず、ホテルの従業員と娘に両脇を支えられ、
エレベーターで客室へ行き、そのまま泊まってしまった。

一生に一度の大イベント。
終わってほっとした今、まるで夢か幻のように思える。

徳島新聞に、
『墨彩画で故郷に恩返し』
というタイトルの記事が載った。

12月1日、確かに感動の2時間は存在したのだ。
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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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