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モクセイとコオロギ


ほんの微かな匂いではあるが、窓辺に漂ってくる気がして
ベランダから身を乗り出す。

そうだ、近くにキンモクセイが2本あるはずだ。
秋の深まりを香りで伝えてくれる木犀の花。

実家にも大きな木があった。
南側に植えてあったので、毎年びっしりと花を咲かせる。

道行く人達がふと立ち止まるほどに
見事なヤマブキ色(つまり金色)であった。
残念なことに、道路拡張のため切ってしまったとのこと。

屋根の上まで枝を伸ばし、
大量に実をつける柿や近所に配るほど成るスダチ。

各々に思い出深いものであったが、全部無くなった。
人が暮らしていく上で、残るものとそうでないものがある。

心ならずも消してしまったものは、
せめて記憶の引き出しの中に大切に残しておきたい。

ほのかな香りとコオロギの声、何とゆかしい秋であることよ。
これらとて、来年も必ず有るとは言いきれないのだ。

眠りにつくまでのひととき。
虫の声が絶えるまで、花の香りがしぼむまで、
存分にこの贅沢の中に浸ることにしよう。

(玉麗)

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スマイル | URL | 2014.09.27 17:31
不思議に思うのですが、金木犀の匂いを感じるのはその木を通り過ぎてからなのですね。うちの近所にも大きな木に花というより実がなったように密集して咲いています。笑ってしまったことがあります。幼稚園の子供たちと散歩をしたとき、この匂いに気が付いた子が”あ、・トイレの匂い”といったことがありました。消臭剤の匂いのことでしょう。
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