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四季の姫のストーリー:24

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この物語は、澁谷玉麗の完全オリジナルです。
毎週日曜日に更新します。

過去のストーリーを読みたい方は、
ブログの右側の「カテゴリ」の中より、
「四季の姫のストーリー」をご覧下さい。

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(登場人物)

四季神家:父神 愛馬「豊雲(とよくも)」
     母神
     一の姫(冬) 供・・・白狐「冬衣(ふゆぎぬ)」
     二の姫(春) 供・・・駿馬「建速(たけはや)」
     三の姫(秋) 供・・・鳳凰「綾織(あやおり)」
     末の姫(夏) 供・・・龍「倭(やまと)」
     
四季神家に仕える者:
     ぼたん老女
     ふたりさくら子
     加牟豆(かむず)


     冬の社の主神
     少名神(すくながみ)・・・(冬の社の主神の従兄弟)
     
     アマテラス

 





下つ社へ向かう長い長い階(きざはし)の途中、
春姫は大きな切れ長の眼を、さらに見開いていた。

建速が、これから始まろうとしている戦いに、
身を震わせていた。


伝わってくる力強い鼓動に応えるように、
春姫は馬の骨を優しく撫でた、

「私の足となって、一緒に戦っておくれ」




鳳凰は秋姫を背に乗せ、
長い2本の足を交互に動かしていた。

黒く大きな瞳の中に、秋姫が映る。

秋姫は、ふっと緊張を解いて
両翼の間に顔を埋めると、大きく息を吐いた。

「大丈夫、父神様がいらっしゃる」




龍の倭の背上、夏姫と加牟豆、ふたりさくら子は
姉姫達に比べて緊張を知らず、
4人揃って倭に乗っていることを
むしろ楽しんでいる様子でもあった。

倭は、四肢を使って歩いていた。



「倭の背中は固うございますね」

ふたりさくら子が同時に言う。

「もし振り落とされたら、あのヒゲが巻き取ってくれる」

加牟豆は、思い出したように言って笑った。


「歩いている倭に乗るのは初めてじゃ!」

夏姫が、丸い大きな眼を輝かせている。
愛らしい声音の中には、不安など微塵もなかった。


692.jpg





やがて、
上つ社の鳥居が見えてきた。


無数の黒い鳥が音も立てず、上つ社を取り囲んで飛んでいた。

その様子はあたかも、黒雲がうねりながら
社を幾重にも覆い尽くしているようであった。

四季神の念の中に現れた、
人か神か見極めのつかない邪悪の塊が
上つ社の真上に立って、御座所を見下ろしていた。


そこには大きな榎があり、
アマテラスはその木の根方に注連縄(しめなわ)で拘束されていた。





「四季神家の者どもが到着したようじゃ
吾れの祖(おや)達よ
ときの声を上げるがよい」


黒い鳥達が一斉に威嚇の声を放った。

今まで耳にしたことのない凄まじい雄叫びが、
天上界を切り裂いた。




上つ社の鳥居をくぐった途端響いてきた、異界からの奇声に
四季神家一行は、一瞬たじろいだ。

その様を見た黒い影が、社の屋根からフワリと舞い上がり
四季神達が確認できる位置に飛んできた。



近づいてきた者の顔を見て、四季神は顔を強張らせた。

若い女と老女がひとつの顔に同居している
言いようのない不吉な影をまとって、
その不気味な存在が口を開いた。

691.jpg



(by 玉麗)




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  • 大阪在住の水墨画家。
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