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四季の姫のストーリー⑳

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この物語は、澁谷玉麗の完全オリジナルです。
毎週日曜日に更新します。

過去のストーリーを読みたい方は、
ブログの右側の「カテゴリ」の中より、
「四季の姫のストーリー」をご覧下さい。

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(登場人物)

四季神家:父神 愛馬「豊雲(とよくも)」
     母神
     一の姫(冬) 供・・・白狐「冬衣(ふゆぎぬ)」
     二の姫(春) 供・・・駿馬「建速(たけはや)」
     三の姫(秋) 供・・・鳳凰「綾織(あやおり)」
     末の姫(夏) 供・・・龍「倭(やまと)」
     
四季神家に仕える者:
     ぼたん老女
     ふたりさくら子
     加牟豆(かむず)

     冬の社の主神
     少名神(すくながみ)・・・(冬の社の主神の従兄弟)
 






春立つ日はとうに過ぎていた。

四季神家では、皆が帰ってこない冬姫の身を案じていた。


春姫は加牟豆と共に、山の麓(ふもと)まで
何度も出かけたが、
姉姫の姿は見えなかった。


「下界の様子を見て来るがよい
さすれば 冬姫の帰りが遅い訳もわかるであろう」

父神の言葉で、春姫が出立(しゅったつ)した。


建速と共に空を駆ける。
下界に達すると、うす靄(もや)の中、
絹のような雨が降っていた。

氷のごとき雪が淡淡(あわあわ)と融けていくのを見て、
春姫が叫んだ。


「姉様の “気” が満ち満ちている!」


すぐさま帰還した春姫と建速の回りに、
皆が集まってきた。

「父神さま 姉様は今日明日にも戻られましょう
この冬の出来事をお聞きするのが楽しみでございますね」



春姫の告げた通り、冬姫はその夜
月が昇りきった頃に冬衣と共に帰ってきた。

その顔にはやや疲れが見えたが、

「父神さま 母神さま ただ今もどりました」

と伝えた声は、
少女から昇華した女神そのものであった。


ふたりさくら子が同時に言った。

「冬神さまになられたのですね!」


「これは、栃(とち)の実
ひとつだけ持って帰ったのか?」

「母神さま 少名神さまの好物にございます
少名神さまはわたくしに 冬の社を守るためのすべてのことを
教えて下さいました
でも・・・・・
わたくしが下界で祈っている間に
冬衣がもとの場所へお送りしたそうにございます
次の年 あの社の側の祠(ほこら)には
少名神さまはいない・・・・・」


「姫よ 少名神は栗鼠(りす)の化身じゃ
黄泉の国へ逝かれた主神が そなたを案じて使わされたのであろう
寂しがらずとも いつの日かまた会えるやも知れぬ
大役を無事つとめることが出来て 今ごろは
安堵しながら栃の実をかじっていることであろう」



ぼたん、さくら、ももの化身である3人が
ほっと息を吐いて微笑んだ。

それを合図のように、
四季神家に春の光がそそぐような、空気が流れた。


冬姫が、
少名神が置いていった1粒の栃の実を握りしめると、
冬衣がそっと寄り添い、
白い尾をフワリを揺らした。


次の朝から、
春姫が駿馬を駆って、春を蒔(ま)く任に就いた。


遅くやってきた春は、その分 力を増して
花々は一斉に蕾(つぼみ)をふくらませた。


(by 玉麗)


今日は、母の日。
Uちゃん、玉麗先生にお花をありがとう。

DSCF3646.jpg

ドレスの花瓶です。

(雪)


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