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四季の姫のストーリー⑨

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この物語は、澁谷玉麗の完全オリジナルです。
毎週日曜日に更新します。

過去のストーリーを読みたい方は、
ブログの右側の「カテゴリ」の中より、
「四季の姫のストーリー」をご覧下さい。

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(前回までのストーリー)

まだ三歳という幼さにもかかわらず
冬神になるため、供の白狐とともに
冬の社へ向かう一の姫。
次々と姫たちに襲いかかる恐ろしい悪霊どもから逃れ、
なんとか社にたどり着いたのであった。


「冬の姫と春の姫」②

冬の社は、雪と氷でつくられていた。

社の一番奥には祭壇があり、
主神はその前で日がな一日祈り続けていたが、
500歳にもなると半分は眠っている状態で、
その様子を見た一の姫の、
めったに笑わない顔に笑みが走り、クスッと声を出したので、
白狐は驚いて、白い尾をフワリと揺らした。


一の姫は毎年、冬になると白狐を供に
氷の社へ赴いた。

500歳を超えた主の社は、
満面に笑みをたたえ小さな姫を迎えたが、
なにぶんにも高齢のため、1日の半分以上は眠っている状態で
姫の、冬神への修行の第1歩は、
この神を揺り起こすことであった。


「お社(やしろ)さま 陽が昇りました」

「そうか、大御神(おおみかみ)への祈りを届けなくてはならんな」


社の主神と小さな姫は、朝日に向かってこうべを垂れ、
朝の祈りの言葉を唱和した。



中つ国には至るところ、樹々の実りがあった。
固い実、やわらかな実、酸っぱいの、若いの、甘いのと
種類も多く、神々の主食はもっぱらこれらの果実で
事足りていた。

氷の社の裏山にも、樹々が青々と葉を繁らせ、
その実は冬にもたわわに実っていた。

その実を採り、祭壇に供えることも、
姫の仕事のひとつであった。


うつらうつらと過ごす主神に、
「お社さま、お供物(くもつ)を下げて参りました」
と勧めたが、その日主神は眠ったように
動かなくなった。

冬の最後の日、春立つ日の前日。
ついに主神は眠ったまま、ゆっくりと消滅した。

(by 玉麗)


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