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四季の姫のストーリー⑧

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この物語は、澁谷玉麗の完全オリジナルです。
毎週日曜日に更新します。

過去のストーリーを読みたい方は、
ブログの右側の「カテゴリ」の中より、
「四季の姫のストーリー」をご覧下さい。

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(登場人物)

四季神家:父神 
     母神
     一の姫(冬) 供・・・白狐
     二の姫(春) 供・・・駿馬
     三の姫(秋) 供・・・鳳凰
     末の姫(夏) 供・・・龍
     
四季神家に仕える者:
     ぼたん老女
     ふたりさくら子
     加牟豆(かむず)

   

ものがたりは、いよいよ本編がスタートします。


『冬の姫と春の姫』①

さて、このものがたりは
冬に生まれた一の姫のことから始まる。



一の姫は、幼い頃から誰よりも気高く、
ひっそりと静寂の中に佇むことを好んだ。

姫が三ツの時、父神は迷うことなく
冬の季節を選び、白狐を供につけた。



冬。
一の姫は四季神家の皆と別れ、
奥深い山中に在る冬の社(やしろ)へ向かった。

途中、悪霊達が跋扈(ばっこ)する森を
抜けなければならない。


母神は、幼い姫の道中を思い、心痛めた。

「冬神になる支度は、もう少し先からでも・・・・」

「いや、決められたことは守らねばならぬ。
白狐がついておるゆえ、案ずることはないであろう」

父神は、一の姫の近より難いほどの神々しさと
白狐の才を信じていた。



一の姫と白狐が、悪霊の森にさしかかると
コウモリに似た大型の翼のある生き物が飛んできた。
そして、やにわに姫の体を鋭い爪でつかみあげようとした。

その瞬間、白狐の体が宙を舞い、
コウモリに似た生き物ののどぶえを食いちぎった。

白狐は地に下りるやいなや、
姫を背に乗せ、ひた走った。

うっそうと繁る森を抜け、
目も眩む谷を飛び越え、
走る、走る、走る。

その間にも、左から右から、
おぞましい姿の悪霊が姫と白狐に襲いかかった。

姫はしっかりと白狐の首にしがみつき、
父神より授かった祈りの言葉を心に念じた。


その時、姫の体から青白い炎が燃え立ち、
姫と白狐は、たちまち火の玉となって
流星のごとく、悪霊の森を抜けて行った。



冬の社に着いた時、
一の姫は立つのがやっとというほどに、憔悴していた。

白狐も又、白いフサフサした毛があちこち抜け、
傷を負っていた。

それでもぼたん老女に教わった作法通りひざまづいて、
冬の社の主に申し上げた。

「四季神(しきがみ)家より、参りました」

「一の姫じゃな。
まだ、いとけないその体でよくぞ参った。
白狐と共に、充分休むがよい」


冬の社の主神(ぬしがみ)は、
もうすでに500年もこの社を守ってきた。

1日も早く、次の冬神にその任を譲りたかったが、
一の姫の幼気(いたいけ)な姿を見て、
「あと10年は長生きせねばならんの」
とひっそりつぶやいた。

(by 玉麗)


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