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花の思い出④ 白梅

花どろぼうをしたことがある。
小学校5、6年生ぐらいの頃。

家の前を100mぐらい北へ行くと三叉路になり、そこに梅の木があった。
畑の横に誰が植えたともわからないような木で、小さな花をつけていた。
フッといい香りもする。

通学で毎日通る道だから、ある日のこと、
1度家に帰ってカバンなどを置いてから、出かけていった。
白梅を一枝持って帰ろうという目的を持って。

ヨソの家のものを取ってはいけない。
たとえ花であろうと。
そんなことをキツク教えられていた時代のことである。

私はドキドキしながら、梅の木に近づいた。
そして一枝ポキッ。

「コラッ」
大きな声が耳に届くやいなや、びっくりして跳び上がり
一目散に家に逃げかえった。

生きた心地がしなかったというのは、その時の少女の気持ちそのままであったろう。

ところがしばらくして、聞き覚えのある声がした。
私はそうっと部屋から外を見た。
近所のお兄さんが梅の花を持って、母と立話をしている。
私はあわてて首を引っ込めた。

後で聞いた話によると、
『恐る恐る近づいて一枝折ろうとしていたから、からかってやろうと思って
コラッと言ったら、スッ飛んで帰った。
その様子が何とも可愛くて、みんなで笑ったけど
悪いことしたから、梅の花を届けた。
ウチの梅の木だけど、ちっとも怒ってなんかいないから、と伝えておいてほしい』
とのことであったらしい。

私は大いに恥じた。
子供心にも恥ずかしかった。
なぜなら、その人はとてもハンサムな憧れのお兄さんであったから。

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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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