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花の思い出② ゴヨウマツ

松は花ではないが、父につながる思い出として書こうと思う。

父は無口な人で、日本酒を好んだが、老いてからはビールを飲むようになった。
けれども冷えるからと言って冬は冷蔵庫に入れない。

ゴキブリが出てきたら、母はハエタタキでパチンとやっていたが父はこう言うのだ。
「ゴキブリも自分で口過ぎしとる。放っといたらエエ」

30代で小麦粉を作る会社を作ったらしいが、
商売はカラしきダメな人であったと母が言っていた。
倒産して、その後に官吏になったのだろう。

父は盆栽を趣味としていた。
ゴヨウマツである。
普通のマツは針のような葉が1カ所から2本出る。
焼ギンナンを刺すのに都合がよい。
ゴヨウマツは名の通り5本出る。
葉も短いから、料理の飾り物にならない。

父のコレクションはすべて実生(みしょう)。
つまり、実を植えて、葉を出したのを育てる。
マツはなかなか大きくならないから、とても気の長い仕事である。

私は子供の頃から植物が好きだったらしく、
父の横で盆栽いじりを手伝った。水遣りもした。
小学校高学年になると、接木を教えてもらって、何の木だったか接いだことがある。

その木から新芽が出た時は感激した。
父が丹精した盆栽に接木で大きくしたゴヨウマツはなかった。
それゆえその頃はどれも小さく、ヒョロとしていた。

母が死に、父も亡くなって、実家の整理に行った時庭を見てびっくりした。
あのヒョロマツがいっぱしの老木になり、形もりっぱに整っていたのだ。

数えれば、すでに40年近い年月を経ていた。
植栽委員のボランティアをしている私を、
父は遠い所から見ているのだろうか。

http://hw001.gate01.com/gyokureikai
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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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