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蘂降る頃

寒かったせいで、今年の桜は長く楽しむことが出来た。
桜吹雪とまではいかなかったが、ハラハラ散る中を歩いてもきた。
この花冷えが過ぎると、新芽があふれ出て葉ザクラになり、
萼(がく)に付いている蘂(しべ)がパラパラ落ちてくる。

季語で言うところの「桜蘂降る」頃、京都の哲学の道を歩いたことがある。
なぜそんな所(その日歩いているのはほとんど2人連れであった)に
1人で行ったのかと思い出そうとするのだが、いっかな出てこない。

前を行く中年男女が「時雨の記」に出てくるような様子のいいカップルであったこと。
男が女の髪に降った桜蘂をさりげなく取ってやっていた。

蘂は私の頭にもいっぱいついていたはずであるが、
残念ながらそれを取ってくれる人は隣に歩いていなかった。

私は僅かに頭を振った。
手をやるとまだ落ちていないゴミ(この時点ではまさしくゴミであった)があり、
髪に絡み付いてとれないのを無理に引っぱると、髪の毛まで一緒に抜けて、
「アッ」と小さく声を出してしまった。

なんでこんなことだけ覚えているのか。
記憶というのはナントモもどかしいものである。

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  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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