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四季の姫のストーリー⑱

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この物語は、澁谷玉麗の完全オリジナルです。
毎週日曜日に更新します。

過去のストーリーを読みたい方は、
ブログの右側の「カテゴリ」の中より、
「四季の姫のストーリー」をご覧下さい。

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(登場人物)

四季神家:父神 愛馬「豊雲(とよくも)」
     母神
     一の姫(冬) 供・・・白狐「冬衣(ふゆぎぬ)」
     二の姫(春) 供・・・駿馬「建速(たけはや)」
     三の姫(秋) 供・・・鳳凰「綾織(あやおり)」
     末の姫(夏) 供・・・龍「倭(やまと)」
     
四季神家に仕える者:
     ぼたん老女
     ふたりさくら子
     加牟豆(かむず)

     冬の社の主神
     少名神(すくながみ)・・・(冬の社の主神の従兄弟)
 






この歳の冬は厳しく、凍てつく日が幾日(いくにち)も続いた。

春立つ日が近づいても、木々の芽吹きは見えず、
根雪は解ける気配もなかった。

下界の寒さに比べると、
中つ国は冬でもうららかな日があった、


そんなある日、
少名神は冬の社の回りをスタスタ歩きながら、
1人ごちた。


「冬姫はりっぱに育った
わたしの教えることはすべて頭の中に入ったようじゃ
あとは光背が現れるのを待つばかりじゃ」



「少名神さま お供物を下げて参りました
朝餉(あさげ)にいたしましょう」

「おお そうか
歩いておると腹が空くのう  薬湯も用意してくれたかな?」

「はい 今朝は人参湯を作っております」


それはありがたいの、と少名神が座ると
大きな杯(はい)になみなみとつがれた、
湯気の立った飲み物が運ばれてきた。

卓の上には、籠に山盛りの果実が置かれていた。


大きなものは口に入らぬのでは、と冬姫は気遣ったが
そのような心配は無用とばかり、
少名神の頑健な葉と顎はみごとに動き、
カリカリポリポリと小気味良い音をたてた。


よく食べ、よく動く愛すべき小さな神は、
知恵の塊(かたまり)でもあった。


冬姫は、いつまでも祠の中にいてわたくしを見守り、
教えを下さいますようにと、
大御神(おおみかみ)に祈った。

しかし、その祈りとはうらはらに、
少名神が冬の社から去る日が
近づいていた。


(by 玉麗)




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