「ダーウィンが来た」でディクディクを見た。
鹿のように見える動物だが、牛類らしい。
牛とは、一体どこが?と言いたいほど似ていない。
牛と鹿との違いは、角の形によるという。
鹿の角は先で枝分かれしているのに対し、
牛類のそれは、まっすぐ伸びる。
ディクディクは体長60センチぐらいなので、角もかわいい。
子供はバンビそっくり。
長い脚、筋肉質なもも、それを最大限利用して、
薮の中を走り回る。
ギュンと曲がる。
飛び越える。
5メートルも跳躍するシーンをスローカメラで捉えると、
その走りは豹にも似て、後ろ足は体より高く後方に跳ね上がっていた。
じっと前方を見つめ静止すること、1時間にも及ぶ。
それによって風景に溶け込み、画面からディクディクの姿は消えた!
猛獣もやってくるのに、
その危険はどこで察知するのかというと、鼻。
左右上下にピュクピュク動く、ピョロと伸びる。
その様子に、思わず笑ってしまった。
両親が1匹の子を大切に育てる。
縄張りがあって、子供がうっかり他の陣地へ行ったら、
その主に追っかけられる。
すると、父親が助けに出るので追い詰められることはない。
3匹が200メートル四方のテリトリーで仲良く暮らしているが、
半年経つと旅立ちの時を迎える。
今まで優しかった父さん母さんは、子供を追い出そうとし、
子供の方は戸惑いながらも、別の薮を捜し、
伴侶を見つけ、新しい縄張りを作る。
動物は逞しい。
野性は素晴らしい。
人間は、ここ数年で弱くなり過ぎた。