風太の退院は3日遅れた。
手術のあと出血して、その出血を取り除く手術をしたからだ。
人間の白内障は、その日のうち、あるいは1日入院で終わるというのに、
動物の場合、何と遅れていることか。
ペットブームなら、動物医学もしかるべき発展をしてほしい。
家族だから出来る限りのことはしてやりたい。
手術が終わった日は手放しで喜んだのに、
これが現実のレベルであると自分に言い聞かせながら、
退院を待つようになろうとは…。
ここ数日、子供か孫のような存在が、受けたであろう体への負担と、
我が家から離された不安感を思うと、わが身を切られるように痛かった。
白内障は両眼に出る。
左目を手術する決断を、私達はすぐ下せるだろうか。
今回のことでどれだけ逡巡したかは、飼い主にしか解からないことだ。
娘が風太の首輪を作っている。
息子が風太の大好きなスイカを買ってきた。
最近涙腺のゆるくなった私は、犬息子を見て、泣くんだろうなあ。