「四国88ヵ所ヘンロ小屋プロジェクト」を2000年に立ち上げ、
現在32ヵ所建設し、残りはあと10年余の歳月をかけ、完成させる。
この壮大な計画を実行している人、歌一洋(うた いちよう)氏に、
やっとお目にかかることが出来た。
先輩の紹介で、阪急での個展に来て下さったのだが、あいにく私が席を外していたので
お会いする機会を逃してしまって、今に至った。
88カ寺巡礼については、ここで書くまでもない。
その「お遍路さん」達は、今やバス・自家用車・タクシー、
はてはヘリコプターで回る人もいるという。
しかし、昔はすべての人が歩いていた。
そして今も、歩きヘンロは少数ながらいる。
その人達のための休憩所を、ボランティアで作る。
その総指揮者、歌一洋氏は、近畿大学の教授で建築家でもある。
どれも、その土地の味わいを余すことなく伝えていて、ユニークであった。
例えば、徳島市のそれは、阿波踊りの女性がかぶる笠の形をした屋根。
道の両側に一対建っている。
溝縁ひろし氏の「遍路道写真展」が併設されている。
朝霧のかかった山道に立っている白い犬の写真が、印象に残った。
この犬はお遍路さんを山門まで案内するのだそうな。
上高地でも、登山者と共に歩く白い犬がいたことを思い出しだ。
犬好きの心をくすぐる作品であった。
朝日新聞大阪本社アサコムホールで、4月3日まで開催されている。
興味のある方は、お出かけ下さい。