トンボはいつやってきて、
この小さな水溜りの中に卵を生みつけるのだろう。
きっと、去年の夏の出来事であったと推測する。
メダカの水槽は大小5ツある。
トンボの幼生ヤゴはこの中で棲んでいた。
「いた」と過去形にしたのは、現在は移動させたから。
実はこのヤゴ、ドンくさそうな体型ながら、
メダカが卵を産み、2ミリほどの赤ちゃんになって出てきた途端、
すばやく舌?を出し食べてしまう。
なかなかしたたかなヤツなのだ。
それがわかってからは、メダカから隔離することになった。
ヤゴを見つけたら、小さなアミですくい取る。
しかし殺してしまうには忍びない、と娘。
そこで、ガラスの器に入れて飼うことにした。
生き物ゆえエサが必要であるが、生餌しか食べないゼイタクなヤツで、
花についたアオムシを入れてやると、パクッと食べる。
しかし、このアオムシだって、
大きくなったらチョウになるンだろうにと、ふと思ってしまう。
マア、それまで放っておいたら、葉は全部なくなってしまうから、
あまり深くは考えないでおこう。
植物があれば虫が来る。
ほんの少しの水の中にもドラマがある。
それらを見て、私達は毎日ホッと息つぎをさせてもらっている。