大きなスカンポが敷地内のサンゴジュの下に生えていた。
野原ならともかく、これは抜かなきゃと力を入れたが、
身の丈もあろうかと思う程の雑草である。
「澁谷さんの力じゃダメよ」
一緒にいたT夫人が代わって力を入れる。
ところがどっこい抜けないのだ。
私も加勢したがやっぱりダメ。
幼稚園の時(何年昔のことかしらネ)
「大きなカブ」という劇でおばあさん役を演じた。
おじいさんを呼んだり犬や猫も加わって、最後にナンだったっけ、(ネズミかな)
とにかくみんなで力を合わせて特大カブを抜くという話であった。
その日残念なことに近くに誰も居なかった。
T夫人は「こうやるしかないヮ」根っこをグリグリ回して、
抜くというよりねじ切ってしまった。
周りを見ると、あるワ、あるワ、子分のスカンポが並んでいる。
その横をふと見ると、何かを掘ったか、埋めたかした感じの土のあと。
私達は顔を見合わせ、背筋を少し寒くした。
それでもスカンポの子分達だけは一掃して、小雨の振る中スッキリと帰ってきた。
しかし、あの土跡は何だったのか。
http://hw001.gate01.com/gyokureikai/