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ある日の幸せな私

有難いことに、私にも「お食事をご一緒に」と言ってくださる方達がいて、
娘と出かけることがある。
先日は、お寿司をごちそうになった。

相手の方は、私より少し年配の方で、
帰り道、若い人達に人気の店を見て歩くことになった。
私もその方も、1人でなら到底通り過ぎてしまうだろうが、
娘が案内役でアレコレと眺めたり、手に取ったり…

還暦を記念しての同窓会が、8月に郷里であるとの案内状が届いている。
もし体調が良く、行けるようならぜひ参加したい。
卒業以来あっていない人もいる。
みんなどんな顔になったのだろう。
私はどう変わったといわれるだろうか。

そんなことをふと思い出し、指先のないレースの手袋に目が止まる。
「ソレをつけて出席しはったら、注目の的ですョ」
「ひょっとして、手ェどうしたん?ケガ?なんて言われたりして…」
2人にからかわれながらも、何となく嬉しくて手に入れた。

女は装う楽しみを神から頂いた。
それはいくつになっても変わることなく、チャンスさえあれば瞬時に目覚めて、
私達をワクワクさせつつ非日常へと誘ってくれる。

「同窓会っていいですネ。ウンとおしゃれして行ってきて下さい」
ハイ、今から1ヶ月半の間、思い出したら1人でニマニマと楽しむことに致します。

「お気に入り」になるか?

気の張る場所へは滅多に出て行かなくなった。
さりとて、休日を家の中ばかりで過ごしていては、
「ますますオッサンになる」と娘が言う。
たまには同窓会や食事会に行ったら、と勧めてくれる。

しかし、「さて…」である。
私のクローゼットには、夏用のおしゃれな服がない。
毎年夏場は、青い顔をしてヒョロヒョロしているから、必要がなかったのだ。

今年は今のところ元気なので、バーゲンも始まったことだし
ちょっとデパートをのぞいてみた。
でも…

冷え性の私が着るパンツもスカートもない。
夏だから、涼しい生地で作るのが当然で、私が言うように
「ウールでちょっと厚地の夏色のもの」なんてあるはずがない。

又しても以前の店へ行き、仕立てることに。
冬用のウールギャバだが、オフホワイトなので、
着用すれば冬物とはわからない。(と思う)

バーゲンとはいっても、マダム用のパンツはけっこう高い。
一度仕立ててもらっているので、大体の値段はわかっていたが、
今回も既製品と大してかわらない金額に、大喜び。
今月末の出来上がりが、楽しみである。

前回に懲りて、肩の凝るサスペンダーをつけないデザインにしたのは
もちろんのことである。

帽子の魔力

教室の帰り、友人とバーゲンを見て歩いた。

ちょっと変わった服、小物の店「センソユニコ」で、
以前スカートを買ったので、それに合う何かが欲しいという友人。
先客がアレコレ着て楽しんでいる。
彼女も店のスタッフに手伝ってもらって、服選びが始まった。

私は好みがはっきりしているので、とにかく早く、
「コレいかがですか」
「ダメ」
「ではコレは?」
「好きじゃない」
「じゃあこれなど…」
「ア、ソレ」
という具合。

しかしたいていの女性は、なかなか決まらない。
私はちょっと手持ち無沙汰。
ふと先客の帽子に目がいく。
「ン?アレは…」

ソレは、帽子屋に置いてあっても、絶対に手を出さない種類の1ツ。
しかも手を出せない価格でもあるはず。
しかし…
女なら、一度は手に取り頭にのせて、
ちょっと気取ってポーズをとりたいモノでもある。
ウーン。

客は私の視線に気付いたのか、ニコッと笑って
「ちょっとかぶってみます?」
と言ってくれるではないか!
「イヤー 似合わないと思うから、イイデス、イイデス」
「マア、そう言わず どうぞ」

デハ、お言葉に甘えて、鏡の前で満面の笑み!
ヘーッ こんなスゴイ帽子が、私にも似合っているではないか!
日頃、オッサン的コスチュームの私が、
帽子1ツで、カシニョールの世界へひとっ飛び。

使いやすいように改造する

年末に手に入れたロッサのバッグ。
軽い、ポケットが多い、手ごろな値段、3拍子揃ってとても気に入っている。

が、ショルダー式で、その部分の材質が安っぽいのが、
かなり不満であった。

そこで、型押し模様はないが、本体と同じ色・材質のヒモを見つけ、
早速取り替えることにした。

滅多に使わないミシンを取り出し、調子を合わせるのに四苦八苦し、
やっと動くようになったら、アーア 布が厚すぎて縫えないときた。

仕方ない、手作業でいくか。
ミシン目のついたところをはずさないよう、一目一目手縫いする。

デザイン性を考えて、手提げの部分は2本取りにした。
その分縫いにくかったが、私オリジナルのバッグを作ろうと思えば、
手が少々痛いのもなんのその。

そして30分後、
出来たーッ。

「どう?コレ ホラ いいと思わへん?」
小躍りせんばかりの母を見たら、褒めなきゃ仕方ないだろうけど、
ホント、上手く出来てるンです!!

「その長さならショルダーにもなるし、いいヤン!」と娘。

バッグは好きで、いろいろ持っていた。
クツと揃えるくらい、凝った時期もあった。

しかし、そのほとんどは、あげたり処分したりして、今残っているものは
まず、軽いこと。
近年、350g以上のバッグは持たないことにしているから、
今どきの重たいバッグを買うことは考えられない。

この修理したバッグは、これからいろいろと活躍してくれることだろう。

外側にマグネット式とジッパー式のポケットがついているということが、
どれだけ便利か。
まだ2回しか使用していなくても、ちゃんと実感している。

年を取ると、体のあちこちが故障して大変だけれど、いいこともいっぱいある。

自分の愛用品が決まって、ムダな買物を控えるようになる。
経験はたっぷり積んでいるから、
ここをこう変えたら使いやすくなるということも、すぐわかるし、
ここをこうすれば、私に似合うようになると、
瞬時でわかるようにもなる。

マア、今まで相当にムダなお金を使ってきたもンね。
60代になったら、それが花開いて、失敗はゼロにひたすら近くなる。
収入も減ってくるから、うまく出来ているもンだ。

名品に会う

神戸まで行ってきた。1人で。
友人5人に次々に電話して総スカン。
で、仕方なく。

行って帰って思ったことは、
やっぱり1人の方がよかったンだということであった。
今回も私の性格そのままに、目的地へ一目散、
用が終れば、すぐ帰る。
これでは付き合う人は、おもしろくないだろう。

で、どこへ行ったかと言うと、
場所はトア・ロード、帽子屋。

最近マニアックになってきたと書いた。
一流と言われるものを確かめたい。
なぜそう言われるのか、手に取り、身に着けなければ納得できない。
それが“場所”なら、行ってこの目で見ないことには
良いか大したことないかは、わからない。

他人様の言うことは、あまりアテにならない。
私には私の感性があり、好き嫌いもはっきりしている。

幸いなことに、このところ体調も良い。
しかし安定しているとは決して言えないから、
1ヶ月も前に約束など出来ない。

そうなると、「今日は休み、しかも何となく元気」であれば、
よしっ今から行こう、となる。
私の都合に全面協力してくれるヒトは滅多にいないから、
1人でも臆さない覚悟も必要であろう。

件の帽子屋はやはり噂通り、一流の名に恥じないものであった。
私はまず似合う帽子を探し、それが自分の懐具合に合うかどうかをチェックして、
1ツ手に入れた。

大切に収納され、恭しく手渡された丸い箱。
受け取りながら、思い出したことがある。

友人が「神戸へ帽子を買いに行く」と誇らしく話していた。
私もその店の製品は、2ツ持っていたが、
いずれもデパートのバーゲンで手に入れたもので、
箱には入っていなかった。

「本店はバーゲンなんかしないヨ」と言われて、
ちょっと悔しい思いもしたンだったナァ。

店の名入りの仰々しい丸い箱は、帽子だけを納めるものではないのだ。
名品への憧れと、それを持つことの誇りを
大切にしまっておくところなのだと、気付いた。

帰路、知人にあった。
「ア、帽子でしょ!」
その言葉に、思わず、ウフッと反応してしまった。


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玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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