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宝ものは手の中に

各教室を月1回休むことにした。

体力がなくなった私は、
個展の作品を描き、教室で生徒達に接するという両立が、
難しくなった。

今秋、あるいは年明けに作品展を予定しているので、
そろそろ準備しなければならない。

まずは後期の手本づくり。
昨日今日とがんばって、5枚出来上がった。
少し前までは、1日に5枚ぐらいへっちゃらだったのに、
もう人差し指が痛い。
テキメンである。

歯がゆいけれど、これが私の体力の精一杯なのだと、
認めざるを得ない。
無理すれば、又めまいに襲われる。

娘をバックアップしながら、励ましながら、
自分自身は歩をゆるめて、ゆっくり歩くように努めなければ。

同級生に、至って明るくのんびり、前向きな人がいる。
「これから楽しいことがいっぱいあるのに、元気だしてよぅ。
暗いこと言うとったら、アカンでよ」

徳島弁は、耳に優しい。
心にも。

最近、娘や息子との会話がうれしいのは、
ささいなことに、喜びを見出せるようになったからだろう。

“楽しいこと”というのは、きっと身近に“いっぱいある”に違いない。

「明珠在掌」という言葉がある。
しみじみと意味を知る昨今である。

ボヨーンとなったゴム糸

ひょっとしてもう「めまい」から開放された?
しかし、ここでウレシがってソレを口にすると、又やってくるかも…
私は固く口を閉ざし、心の中でのみニマニマと笑った。

事実、4、5月はすこぶるとまではいかないが、かなり調子良かった。
そんな折りしも、同窓会の連絡があって、久し振りでウキウキ。
友人との会話も弾んだ。

が、やっぱり一度とり憑いた「悪魔」は、
おいそれとは退散してくれないようだ。

それから3日後、「めまい」まではいかなかったが、
かなり不快な症状がやってきて、あーあ。

そこで深ーく考えてみると、
最近の私の対人緊張感は2時間持たない、という結論に達した。
(ちょっと大袈裟か)

適当に気を抜くということが至って下手クソな私は、
人に接すると、一生懸命になる。
つまり緊張の糸がピンと張る。
1時間くらいなら何とか凌げるがそれ以上になると、ガタッとくる。

若い頃は強力なゴムのようであったのに…
大事に使わないと伸びるヨ、と警告されているようだ。

若返り?

行くべきか、行かざるべきか。
思い出すたびニマニマと楽しむはずだったのに、
この暑さである。
同窓会出席は、かなり怪しくなってきた。

体調を整えることに気を配ってはいたものの、
35度を越す暑さの前にはあえなくダウン。
一週間ほど前、朝起きたらフラッとして、教室は3日休んだ。
ビタミン注射に医者へ駆け込む。

その旨、郷里のクラスメイトに伝えると、
「無理しない方がいいョ」と。
それまでは、
「何とかしておいでョ。みんな待ってるから。
あなたに会えるのを楽しみに、出席するって人が何人もいるョ」
そんな嬉しい言葉で、何度も電話をくれたのに。

まさに恨むべきは、この暑さ。
加えて盆の間、徳島は熱狂の渦の中に在る。
その日、8月15日は阿波踊りの最終日なので、
混雑のほどは計りようがない。

やはり、この体では無理だヮ。
アキラめよう。
でも、学生時代のあの面々が、思い出の中からオイデ、オイデする。
「思い出は宝物」と篤姫サンも言うとった。
ウワワワーン!!行きたいっ。

午後、窓を開けて熱気の直撃を受けるたび、「アカン…」と萎れ、
朝、涼風が吹くと、「いや、ひょっとして行けるかも…」と期待する。
これほどまでに悩ましい夏が、近年あっただろうか。


煎じて飲もうにも…

本を読む、家の中を片付ける、ベランダで花や野菜の世話をする。
もちろん絵を描く。
いろんな事を、アアデモナイ、コウデモナイと考えて遊ぶ。
私の休日は、そんなことで終わってしまう。
コレッて全部1人で出来ること。

3年ぐらい前から、他人との旅行はしなくなった。
食事会もパーティも、自分からは計画しない。
誘われてもほとんど断る。

以前からそうだったかなあと考えてみるが、
人付き合いが下手でもキライでもなかった。
原因は体力不足だ。
めまいが怖くて、はしゃげなくなったのだ。

そうなったすぐは、ひどく落ち込んだ。
「もう、私には楽しいことなんかなんにもない」
と思うと、人生どうでもよくなる。

今から思えば、円光寺の天井画・襖絵が完成して、
疲労と安堵で脱力状態だったのだろう。
それから1年ぐらい経った今、ようやく、
「どうでもいいや」という気持ちから、抜け出した気がする。

しかし体力は3年前に戻ってはくれない。
やはり気疲れすると、めまいまでいかなくてもフラフラになる。
寝込んでしまう。
なるべく人と接しないようになったのは、そのせいだ。

しかし教室へ出ない訳にはいかない。
そこで、2時間びっしりはりついて気を抜かない状態から、
ちょっと抜け出ることにした。
生徒が練習している間、娘とアシスタントに任せる。
そして、絵が出来上がった頃、戻って手直しする。

この話を、私と同じ仕事をしている友人に話したら、
「私はアナタみたいにキマジメじゃないからネ。
生徒と一緒でもちっとも疲れないヨ」と言われた。

残念なことに、彼女のツメは美しく手入れされていて、
垢はおろか、絵の具のシミひとつ見当たらなかった。

気分予報

その傾向が強い人と弱い人、
あるいは全くないという羨ましい人もいるかもしれない。

私はこのところ、やや鬱。
体調がよろしくないと、テキメンに気分が落ち込み、
人と話すのが億劫になる。

友人が言う。
「芸術家って躁鬱症の人が多いって言うよね」
残念ながら?私はニワカ躁鬱症であり、
生まれついての芸術家でもない。
努力してやっと、そのハシクレに加わっているだけのことだ。
(自嘲気味になるのも、鬱のなせるワザか?)

と、嘆いてばかりいては、
このブログを楽しみに読んでくれる人達に申し訳ない。
気を取り直し、体に活を入れて書いている。

気分が冴えないのは、体調のせいばかりではない。
私の数少ない楽しみのひとつ、
ベランダ菜園と花の世話が、半分になってしまったこともある。
手すりからはみ出してはいけないということで、
思い切って量を減らし、少しだけ内側に入れた。

花達がたわわに垂れて咲くのを自慢にしていただけに、
やはりショックではある。
きゅうりが採れた、シソがおいしい、と喜んでもいたのに…。

そんな話を教室ですると、
「先生、ネギならはみ出ないですヨ」
と言ってくれる人がいて、ネギよりワケギが良いと注文をつけると、
次回持ってきてくれるとのこと。

これからの季節、味噌汁がおいしくなる。
ワケギのぬたもいいナァと、もはや収穫した気分である。
冬場は陽射しがベランダを通り越して、部屋まで入ってくる。
ワケギもスクスク育つことだろう。

明日は躁になるでしょう。
プロフィール

玉麗

  • Author:玉麗
  • 大阪在住の水墨画家。
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